シミュレーションゲームと日々の思い付き

#シミュレーションゲーム #ウォーゲーム #ボードゲーム #戦史 #図上演習

美しい光景

誰の心にも、記憶に鮮明に残る「美しい光景」があるのではないでしょうか。

僕は写真の心得は全く無く、子供の成長写真すらまともに撮っていないので、心に残った、ある意味美化されてしまったかもしれない光景が強く脳裏に残っています。

子供が産まれた翌日の朝、病院の面会時間まで時間があるので海岸まで散歩した時に見た、晩夏の抜けるような青空の光景は今でも眼に焼き付いています。妻はそれどころじゃなかったと文句を言いますが、妻には申し訳ないけれど、僕にとっては「親」になったことを自覚した瞬間として、僕の人差し指を子供が小さな5本の指で初めて握った瞬間と同時に思い出される「光景」なのです。

学生時代に学芸員の単位を貰いに飛騨の縄文遺跡で発掘調査をした際に、生まれて初めて見た夏の天の川も、鮮明に残る光景です。僕は夜が明るい東京近郊のベットタウンで育ったので、天の川というものを初めて肉眼で認識したのがその時でした。夜空のなかにボーっと赤っぽい帯状のエリアを見た時に、最初は天の川とは理解できず衝撃を受けたことをよく憶えています。

あとは就職してからの光景ですが、夜空にボーっと不気味に浮かぶ大きな白菊のように見えたヘール•ボップ彗星も鮮明に心に残っています。当時勤務していた離島がかつて多くの血が流された島で、燃料陸揚げだったか車両陸揚げだったかは記憶が定かではありませんが、職場総出で夜通し行う作業中、空を見上げると大きな人魂が出たかのように見えて驚きました。

以前、2度ほど海外でフネに乗った事があります。

最初に乗った時の記憶として鮮明な光景があります。翌朝には入港するため陸岸近くに居ましたが、スコールに見舞われ、豪雨のためさっきまで見えていた陸の灯や多くのフネの灯が全く見えなくなった中、稲妻が光った瞬間、一瞬だけ周囲が昼になり、多くのフネや陸の街まで見渡せた光景は眼に焼き付いています。稲妻の大きな音に驚く暇も無く、なんとも不思議な光景に息を呑みました。

次に乗った時の記憶として、明け方ジブラルタル海峡を通過した時、暗闇から周囲が明るくなって行く間、反航してゆくスペイン海軍(NATO艦隊かも?)空母機動部隊の背後に、朝日の中、白くそびえ立つジブラルタルの岩山の姿が眼に焼き付いています。かつての要衝と海軍の姿を同時に見られ、有名なジブラルタルの特徴的な岩山の姿が忘れられません。

それぞれの光景は、子供が産まれた翌日を除き写真が無いので、僕の心の中で美化されてしまっていると思いますが、僕の中では忘れられない光景です。